「健康」「介護・介護予防」「住まい」のシニア・シルバー層の新市場情報
| インタビュー / 制度ウォッチ |
| 厚生労働省 老健局老人保険課 介護予防係長 |
| 中田 健清 氏 |
| 効果的な介護予防サービスの提供へ向けて |
| 〜費用対効果を検証〜 |
厚生労働省では、介護予防関連事業をより効果的に実施するため、介護予防継続的評価分析等検討会を発足させ議論を進めている。3月31日には同検討会の第3回目の会合が持たれ、その内容と介護予防の課題などを厚生労働省・老健局老人保険課の中田健清・介護予防係長に聞いた。
■「第3回介護予防継続的評価分析等検討会が開かれました」 「介護予防サービスの効果分析について(暫定仮集計)」と「介護予防サービスの利用回数の変化について(仮集計)」の2つのテーマで議論をしていただきました。
第1回目の検討会は平成18年12月に開かれており、翌年の1月に全国の市町村において調査を開始しました。その目的は、市町村が実施する介護予防関連事業に係る詳細な情報を収集し、厚生労働省においてその効果などを検証するための基礎資料を得ることです。
同時に市町村における介護予防プログラムの評価を支援し、今後、全国における効果的・効率的な事業実施に役立てることです。■「調査の背景は」 介護保険制度の創設以降、要支援・要介護認定を受ける人が増えています。できる限り要支援・要介護状態になることを予防できるように、要支援・要介護になるおそれの高い方(特定高齢者)などを対象にした地域支援事業が導入されました。それを機に、こうした事業の費用対効果などを検討することになったわけです。
今回は、現在全国83市町村で実施されていますが、事業開始からこれまで蓄積されたデータをもとに、その効果について仮集計を行いました。まだ、断定的なものであり、今年の秋頃にはさらに夏までのデータを集積・分析し、中間とりまとめを行います。来年1月末には調査を終了し、3月末に最終的なとりまとめを考えています。■「介護予防サービスの効果分析については」 平成19年11月末までに得られたデータを仮集計し、1000人の対象者を1年間追跡した場合として(人・月)単位で算出しています。
特定高齢者については、悪化群の占める割合が導入前の3・5%から導入後1・9%に減少しています。要支援1の人については、悪化群の占める割合が導入前の15・2%から導入後7・3%に減少しています。つまり、新たな介護予防施策を導入したことにより、悪化する割合は導入前に比べ減少することが明らかになりました。ただし、こうしたことがただちに介護予防効果の大きさとみなすことについては様々な議論があります。■「介護予防サービスの利用回数の変化については」 平成19年1月1日から平成19年11月30日にかけて、継続的評価分析支援事業に参加している各市町村から送信された1万3319人をデータベースに、最終的な解析対象者2741人(要支援1=954人、要支援2=1787人)を選別して行いました。登録時の要介護度と直前の要介護認定などの状況により、解析対象者を3つのグループに分けて調べています。 ■「介護予防についての考えは」 要介護認定者数は平成12年4月末から5年7カ月で約210万人(96%)も増加しています。中でも要支援や要介護1の軽度者の増加が大きいことから、できる限り要支援・要介護状態とならないよう、あるいは重症化しないように「介護予防」を重視したシステムの確立を目指しています。具体的には「介護給付」によるサービス「(新)予防給付」の創設、「地域支援事業」の創設などで総合的な介護予防を考えています。
また、今回の検討会で進めているような事業の費用対効果を検証することによって、より効果的な介護予防サービスを提供していく必要があります。■「介護予防における食の役割については」 介護予防のプログラムの中に「栄養改善」があり、栄養状態の悪い人に対して食事面での支援を行っています。「運動器の機能向上」や「口腔機能の向上」とともに、介護予防における食の役割は大きいと考えています。