受託加工 企業アンケート(2009)  



 すこやかLife(発行:ニューマガジン社)では、全国の健康食品受託加工メーカーに2008年12月にアンケート調査を実施した。回答企業数は65社。結果によると、受託加工事業の今期(08年度)の売上高予想では、増収見込みの企業が47%で、減収が26%。来期(09年度)の予想は、増収が60%、減収が13%の結果となった。設備稼働率では「フル稼働」状態の企業が前年度より増え、利益率では「上昇傾向」の企業が前年度よりやや増加した。経営のキーポイントについては、例年どおり「品質の向上」がトップに上げられ、「企画・提案力の向上」が続いた。今後の業界動向については、勝ち組と負け組の二極化がさらに進むとの回答が目立った。


■売上高
 
 健康食品受託加工事業の今期(2008年度)の売上高予想は、前年度に比べ「増加する」と答えた企業が47%で全体の半数弱、「横バイ」は27%、「減少する」は26%となった。

 前回(1年前)の同アンケート結果と比べると、「増加する」が52%から5ポイント減少、「横バイ」は20%から7ポイント増加、「減少する」は26%から2ポイント減少した。

 増加率で最も多かった回答は、「1〜10%増」で全体の29%を占め、次いで「11〜20%増」が11%、「21%以上増」の大幅増は6%だった。

 増収の要因については、GMPやISOの取得効果を上げるもののほか、「既存取引先の販売サポートの充実」「バルク商品の営業展開強化」「一般食品形態分野の拡大」などが上げられた。

 減収の要因は、「一般経済の景気低迷の影響」との回答が多く、「大ヒット素材、牽引素材がない」、「健康食品のイメージダウンによる消費者離れが続いている」、「中国製品をはじめとする食への不信」、「大手食品メーカーの健食参入及び健康志向型の一般食品の投入がさらに進んだこと」などが上げられている。

 来期(2009年度)の売上高予想は、今期(2008年度)に比べ、「増加する」と答えた企業が60%、「横バイ」が27%で、「減少する」が13%と増収を見込む企業が過半数を占めた。なお、増加率は、「増加する」と回答した企業の9割近くが「1〜10%増」と予想している。
 
 
 
■設備稼働率
 
 現在(2008年12月現在)の設備稼働率は、「フル稼働状態」が19%、「やや余裕がある」が75%、「大変余裕がある」が5%で、「フル稼働」状態の企業が増えたことと、同時に「大変余裕がある」とする企業も3年連続して減少したことなどが特徴。

 稼働率について、この6年間の推移を見ると、「フル稼働」は19%→21%→15%→13%→15%→19%と推移。「大変余裕」は0%→12%→15%→14%→7%→5%と推移している。
 
 
 
■利益率(経常利益)
 
 
 2008年度の利益率の状況は、「上昇傾向」が22%、「横バイ」が64%、「低下傾向」が14%の結果となった。

 「上昇傾向」は2004年度には61%と多数を占めていたが、2007年度には16%まで低下、今回はやや持ち直した結果となった。「低下傾向」は2006年度に著しく回答が増え、35%まで達していたが、今回は14%となり、全体的に利益率低下に歯止めの傾向がうかがわれる。また、今回の「低下傾向」の要因には、原油高騰によるコストアップも上がった。

 この6年間の同調査の推移を見てみると、「上昇傾向」の回答は61%→52%→38%→20%→16%→22%。「低下傾向」の回答は8%→19%→20%→35%→13%→14%の推移となっている。

 なお、今回の利益率は、「0〜5%未満」が41%、「5〜10%未満」が39%、「10%以上」が11%、「赤字」が9%となった。
 
 
 
■設備投資
 
 設備投資については、来期(2009年度)は今期に比べ、「拡大する」と回答した企業が17%、「横バイ」が77%、「縮小する」が7%だった。

 過去6年間の推移を見ると、2005年度までは積極的な設備投資意欲が目立っていたが、2006年度に急速にしぼみ、以降「横バイ」基調となっている。
 
 
 
■受託製造の商品分野
 
 受託製造している商品のカテゴリー(複数回答)は、多い順に「美容・ダイエット関連」、「予防・健康増進対応」、「ビタミン等栄養成分補給用途」、「滋養強壮」、「メタボ関連」、「抗加齢」「アイケア」、「免疫関連」、「体質改善」、「抗アレルギー」となった。
 
 
 
■ターゲット層
 
 製造商品の主要ターゲット層(複数回答)については、若年層(10〜20代)、中年層(30〜40代)、シニア層(50〜70代)の3つに分け、男女別に尋ねた。結果は、多い順に、中年の女性(51件)、シニア層の女性(46件)、シニア層の男性(41件)、中年の男性(35件)の結果となった。若年層は、女性が16件で、男性は3件にとどまった。
 
 
 
■流通ルート
 
 製造商品の流通ルート(複数回答)は、多い順に「インターネット通販」、「ドラッグなど薬系店舗」、「雑誌・新聞等従来型通販」、「スーパー・コンビニなど食系店舗」、「訪問販売」の結果となった。
 
 
 
■経営のキーポイント
 
 各企業における「経営のキーポイント」について尋ねた設問(複数回答=9項目中3項目を選択)では、最も多かった回答は昨年に引き続き、「品質の向上」(48件)だった。

 2位はほぼ同数で「企画・提案力の向上」(43件)、3位が「オリジナル素材の開発・推進(原料)」(18件)と「利益率の向上」(18件)、5位が「合理化・コストダウン」(15件)と続いている。
 
 
 
■現在の取組み課題
 現在取り組んでいる課題については、例年と大きな変化はなく、強いて上げると、社員教育の充実、レスポンスの迅速化、企画・提案力のアップなどが目立った。また、事業拡大に向けては、一般食品やその形態に近いものへの拡充が模索されているようだ。
 回答が最も多かったのは、昨年同様「品質管理の向上」に関するもの。「ISOや健食GMP等の認証取得」「原料の安全性確保」、「社内教育・チェック体制の強化」など、全般的に、各社とも品質確保は最重要課題に位置付けられており、ハード・ソフト両面でさらなる充実に余念がない。
 また、今後の事業拡大に向けては、一般食品分野で健康志向型の商品ニーズがさらに高まっていることから、一般食品の形態に近いものや菓子類などへ展開する動きが高まっている。
 社内体制の充実という観点では、「提案力」、「企画力」の強化を図るとする回答が多く、受注から納品までのレスポンス向上を重視する回答が目立った。
 
 
 
■健康食品市場の景況感
 
 
 2008年度の健康食品市場の景況感については、前年度より「上昇した」とみる回答が15%、「下降した」とみる回答が16%で、ほぼ同数となった。また、「横バイ」が圧倒的に多く、69%を占めた。
 来期2009年度の見通しについては、「良くなる」の9%に対し、「悪くなる」が26%と多く、「横バイ」が65%となっている。

 今後の市場動向についての意見では、「先が見えない」「上昇の気配が見えない」といった回答が目立ち、「当面横ばい傾向が続く」「上昇は数年後」との見方も。

 共通して見られたのは、勝ち組と負け組の二極化がさらに進むだろうという意見。

 今後、伸びそうな商品のキーワードとしては、「体感性、エビデンス、安全の3要素を満たした商品」「カプセル状より、食品に近い形状のもの」「表示規制が厳しいため、消費者にわかりやすい成分を使った商品」「品質・価格・効果のバランスのとれた商品」「通販・インターネット通販」などが上げられた。
 
 
 
■注目の健康食品素材
2008年度ヒット素材 2009年度の注目素材
1位 コラーゲン 1位 コラーゲン
2位 グルコサミン 2位 レスベラトロール
3位 ヒアルロン酸 3位 グルコサミン
4位 L−シトルリン 4位 ヒアルロン酸
5位 レスベラトロール 5位 フコキサンチン
 
 2008年にヒットしたと思う健康食品素材についての設問では、1位が「コラーゲン」、2位が「グルコサミン」、3位が「ヒアルロン酸」、4位が「L―シトルリン」、5位が「レスベラトロール」。前回と上位3素材の顔ぶれは同じとなった。このほか、「アスタキサンチン」「プラセンタ」「ブルーベリー」「ルテイン」「ニンニク」「葉酸」「プロポリス」などの回答が多かった。

 2009年の注目素材としては、回答の多かった順に、1位が「コラーゲン」、2位が「レスベラトロール」、3位が「グルコサミン」、4位が「ヒアルロン酸」、5位が「フコキサンチン」。

 このほか、「アスタキサンチン」「セサミン」「プラセンタ」「乳酸菌」「葉酸」「ウコン」「冬虫夏草」「霊芝」などが注目素材として上げられた。

 今回も、昨年と同様、定番系の素材が目立ち、幅広い素材に分散した傾向となった。